『エンジェル』

Category : Book
最近は石田衣良さんの小説を3冊読破しました~。
ということで、今日は小説『エンジェル』の紹介。


冒頭で主人公「純一」が自分の死を見つめるシーンから始まります!Σ(゜Д゜;)

そして自分が母親の胎内から生まれてくるシーンから、自分が死ぬ数年前までの出来事が繰り返されるフラッシュバック。

どうしてこう思い出したくないことばかりが甦ってくるのだろう。
思えば寂しく、つまらない人生だった。でもそれも仕方の無いことだ。父親に絶縁されたときからこう決めていたのだから。

ぼくはもう決して結婚しない。当然子どもも作らない。生涯絶対に家族をもたない。ひとりきりで生きるのだ。これまでそうだったように、そして今、徹底的に思い知らされたように。


フラッシュバックが終わり、”今”に帰ってきた純一はこう思う。

純一は自らの死を疑い得ないものとして受け取っていた。人生の断片を生き直して純一は悟った。自分の人生はつまらない、価値の無い一生だった。純一の死に涙を流す者はいないだろう。家族も友人も恋人も、契約を交わした愛人さえいない。誰も愛さず、誰にも心を開かなかったのだから、誰ひとりないてくれるはずがない。


幽霊となった主人公には何故か過去2年間の記憶が抜け落ちている。
自分は何故殺されてしまったのか。その謎だけは解き明かしたい。

しかし、コンサートホールで初めて出会った自分以外の幽霊『小暮』はこう言う。
「私からのアドバイスがひとつあります。おせっかいかもしれませんがね。でも知らなくていいことは、知らないほうがいい場合もある。それだけは忘れないでください。知らないでいるというのは、ひとつの幸福の形ですから」

個々幽霊が持つ独自の能力(聴覚化・視覚化)で、現実世界の人間に微妙な影響を与えたり、コンタクトを取りながら物語は進んでいく。
そしてバラバラに散らばっていた線と線が繋がっていく・・・

待ち受けている真実はありふれたものなのか・・・それとも想像もつかないような衝撃に満ちたものなのか。



作家:石田衣良さんは『池袋ウエストゲートパー(IWGP)』の原作者といえば皆さんも聞いたことがあるでしょう。

なんとなくTV版ドラマ「IWGP」は見ていたのですが、正直あまり面白くなかった(^_^;)のでちょっと避けていたのですが、ふと寄った本屋で軽く立ち読みしたら凄く面白い文章を書く作家さんだと分かって購入してみましたo(´▽`*)/♪

解説で述べたように、この『エンジェル』は少し暗めのお話です。
どうしようもなく後味の悪い結末になってしまうのか? とハラハラドキドキしながら読み進めていきました。

基本的に僕は幽霊とか死後の世界とか超現実的なものは全然信じていないのですが、この小説の世界にはすんなり入っていくことができましたo(´▽`*)/♪

ミステリー色が強いように思われる方もいるかもしれませんが、中心はあくまで主人公の心の機微であるとか、人々の欲望の形、人間関係のしらがみ・・・そういうところにあると思ってます。

主人公である純一は現実世界を以下のように見ています。

絶えまない不安と苦痛の世界
強烈過ぎる感覚的刺激と磨り減った感受性の世界
生涯続く退屈な順列づけと
途中で投げ出すことの許されない
幼稚な勝ち負けの世界


その辺の悲観的な世界観が僕の共感を呼びました(笑)
皆なんで競争したがるんだろう。
神経をすり減らして人の上に立つことが価値のあることなんだろうか。
とか何とか言いながら、僕も落ちこぼれにだけはなりたくないんですけどね。あぁ矛盾(;´Д`)


『エンジェル』 石田衣良
Posted by りすお [RIS-O] on 18.2005   1 trackback
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